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的に阻害した(data not shown)。他のモノクロナール抗体には、このような性格は認めなかった。血漿中のHKaを測定するため、まずDomainlを認識する抗体(15−1)とDomain5を認識する抗体(35−1)を用いたサンドイッチELISAを検討した。この方法の利点は、軽鎖を異にする低分子キニノゲン(LK)を除外できることである。図7にその結果を示した。HKaの10−100ng/mlのレベルで直線を示し、鋭敏な測定系が得られた。残念ながら、臨床検体の測定までは、進んでおらず、今後は、僻地で行われた健康診断スクリーニング時に得られた血漿を凝血学的に異常がないかを検討し、もしあれば、接触系凝固因子群を中心に、凝固線溶因子を解析したい。
我々の開発したアッセイシステムや、蛋白化学的分析やポリメラーゼチェインリアクション(PCR)などの遺伝子工学的手法を合わせ用い、接触因子群が、食生活の変化を含め種々の地域での疾病の特異性に対する関与の有無を広く検討したい。接触系凝固因子群の質的、量的変化が血栓症を含めた広く、疾病に関与するかを、公衆衛生学的検討を行い、リスクが明らかとなれば適切な食生活の改善や予防的投薬などを講ずることで病気の発症を予防し、地域の健康増進に貢献したい。

 

 

 

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